●ロシアを援助するアメリカの意図
アメリカ政府は、細菌殺戮兵器の開発に取り組んでいるロシアの研究施設を存続させるために、密かにその運営資金を提供し続けている。
この計画は極秘にされているが、アメリカの国防総省と米国科学アカデミーからなる合同委員会が運営していて、エネルギー省および国務省がともに、その資金を提供しているのである。
このような計画によって、ロシアではロシア人科学者を忙しくさせ、そうして、ロシア人科学者の才能および研究成果が、将来アメリカの敵国になり得る国々に流出しないように画策しているという。
アメリカの情報筋によれば、このようなロシア人たちは、25年間に渡り、エボラウイルス、炭疽菌、赤痢菌といった細菌が生物学的に脅威となる限界点を検査しているという。
●バイオ・プリパラト計画
「バイオ・プリパラト(Biopreparat)」として知られている、かつてのソビエトの生物兵器計画には、旧ソビエト連邦全土の約50ヶ所の敷地にある研究施設での研究が必要とされた。例えば、シベリア辺境の地には、「ベクター(Vector)」として知られる巨大な研究施設が存在する。
『ジェーンズ・ウイークリー』という権威ある英国の防衛刊行物は、次のように報道している。
バイオ・プリパラト計画に携わっていたロシアの科学者は、「手に入るあらゆるワクチンや抗生物質に対抗できる変種、致死的となる炭疽菌の遺伝子変換による変種」を開発していた。
ニューヨークのロング・アイランドの日刊紙である『ニュースデー』が報道しているように、米国の情報筋は「この英国の刊行物の内容は正しい」と認めている。
●流出する細菌兵器
ロシアの生物兵器の取り組みに対して資金を提供しているアメリカの意図は、この生物兵器が、イランやイラクといった一触即発の可能性のある国家に広がるのを食いとめるところにある。
ところが、米国の情報提供者が繰り返し報道しているように、一例を挙げるならば、致死的となる炭疽菌の変種が、ロシアが不足している通貨と引き替えに、すでにイラク、おそらくイランの手にも渡っているのである。
ロシアの研究施設に資金調達の協力をしていることに加えて、最初の段階として、共同研究に取り組むために巨額のドルが投入されたという情報がある。これには、メリーランド州のフォートデトリックにあるアメリカの極秘の生物災害研究所で、ロシアの科学者が研究するのを許可したことが含まれている。
●ロシアは信用できるのか?
ロシアのバイオ・プリパラト施設を訪れた米国の専門家は、次のように報告している。
「ロシアの生物兵器計画の規模だけではなく、シベリアの一つの敷地に、研究所や管理施設といった100以上の建物が存在する、“ベクター”のような個々の施設の大きさを見るにつけ、その壮大さに圧倒されました。」
ロシア人は信用できるのだろうか?
明らかに、クリントン大統領は「ロシア人は信用できる」と思っているようである。というのは、1992年6月にロシアのエリツィン大統領と会談して、「生物兵器研究はすべて即時中止される」と、クリントン大統領が確信したからである。この確信があったからこそ、結局、アメリカがロシアの研究所に資金を提供するようになったのだ。
しかし、ロシアの保証とは信頼できるのだろうか? ソビエトのときの保証よりも信頼できるのだろうか? ロシアの一枚岩が巨大な共産主義国家に戻るとしたら、その保証は信頼できる保証と言えるのだろうか?
おそらく、その答えは、50ヶ所のロシアの生物兵器コンビナートの多くが1973年に造成されたという事実にあるのだろう。これは、ニクソン大統領とソビエトのブレジネフ書記長の間で生物兵器条約が調印されてから、ほんの数ヶ月後のことである。この条約は、生物兵器のあらゆる研究を禁止するものだったのである。
一方、ペンタゴンは、炭疽病にかからないようにするため、アメリカ軍全員に試験的に新しいワクチンの予防接種を行う計画を続けている。ところが、このワクチンは、バイオ・プリパラト研究所で開発された超炭疽菌の変種を予防するには何の効果もないことを、ペンタゴンは重々承知しているのである。米国の諜報部員が繰り返し報告している変種とは、サダム・フセイン指揮下のイラク軍の手中にあるのだ。
レーガン元大統領は、かつてこう言った。
「信用するのはいいが、確かめることである。」
クリントン政権の中では、「確かめる」という言葉が、冷戦時代のまさに不必要な古臭い言葉として、辞書から削除されてしまったようである。
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