●カルドウェルの主張
突然、だれもが共和党と共和党の将来について話題にし始めた。
共和党員自身、新保守派の不平を言い始めている。新保守派など、共和党員は長い間無視してきたにもかかわらずである。
事の始まりはカルドウェルである。彼は「アトランティック・マンスリー」誌で警句を発し、共和党の将来について馬鹿げたアドバイスを行った。
たとえ共和党員が読書するとしても、彼らはカルドウェルなど読む必要はない。それにカルドウェルの記事は「アトランティック・マンスリー」誌だけでなく、「ウィークリー・スタンダード」誌(保守派雑誌:編集者はビル・クリストル)にも掲載されている。
それゆえ、共和党員はいずれカルドウェルの記事を目にすることになる。共和党員はカルドウェルの誤りをすぐに指摘できるだろう。
カルドウェルは言う。
「現在の共和党の問題点は、南部に牛耳られていることです。共和党得票の大部分は南部票です。それだけでなく、南部の文化・政治手法は、共和党に大きな影響を与えています。
しかし問題は、南部の文化・政治手法など、よそでは通用しないことです。
南部と他の地域との最大の違いは文化的違いです。
南部では、キリスト教が政治に大きな影響を与えています。南部にはこうした伝統があり、共和党はその伝統に侵食されています。それゆえ、他の地域の人々は恐怖を抱いています。
南部キリスト教徒は現在、共和党を支配しています。それは黒人が民主党を支配しているのと同じことです。
しかし、共和党を支配しているのは、南部キリスト教だけではありません。
共和党は『全米ライフル協会(NRA)』によっても支配されています。それは民主党が黒人によって、そして『アメリカ自由人権協会(ACLU)』によって牛耳られているのと同じことです。
オクラホマ連邦ビル爆破事件によって、アメリカのリベラル派に『武装しなければならない』という気持ちが広がりつつあります。それによって、民主党は警察コントロールを提唱していますが、共和党は犯罪を助長しているままです。」
●ベルトウェイの論理
これでカルドウェルの出自が理解できるだろう。
カルドウェルは新保守派雑誌に投稿している。そこからも分かるように、彼はベルトウェイ直系の政治家である。カルドウェルの政治観も、ベルトウェイを反映している。
ベルトウェイの主張はこうである。
「銃規制への反対は、銃犯罪を認めていることになる」と。
ベルトウェイには、こうした考え方がメディアの作り出した子供騙しであること、このような子供騙しには反駁しなければならないことなど思いもつかない。
カルドウェルは「共和党は間違っている」と声に出して言わない。しかし、彼が広めようとしている意見は、それである。
カルドウェルにとっては、南部キリスト教の価値観を捨てること、銃規制には反対することこそ、正しい道なのである。彼は銃規制への反対を全米に広めようとしており、それこそベルトウェイ、カルドウェルの主張である。
しかし、カルドウェルの主張は全く見当違いである。
共和党は南部キリスト教によって支配されているわけでもなければ、「銃賛成派」によって支配されているわけでもない。実際、共和党は1994年以来、キリスト教政策をほとんど打ち出していない。
南部の人であろうとなかろうと、政治に宗教が持ち込まれることには反対しており、それに変わりはない。共和党が政治問題を抱えているとしても、宗教は理由の一つにすぎない。
銃に関して言えば、共和党は現在もブレディ法を支持している。
ブレディ法は数年前に制定された法律で、「武器使用」を禁じた法律である。これはこの30年に作られた中で、最も有効な銃規制法である。
1995年、共和党が議会を掌握した。その後すぐ、クリントン大統領は次のように述べた。
「共和党が議会を握ったのは、NRA支持があったからである。民主党は武器使用を禁じる立場であり、そのため議席を20失った。
共和党が議会を掌握できたのは、共和党が1994年『銃使用認可政策』を打ち出したからである。」
しかし、カルドウェルや「ウィークリー・スタンダード」に集う新保守派は、銃使用に反対している。カルドウェルは言う。
「今日、共和党は問題を抱えている。共和党議員は議会過半数を再獲得することしか頭にない。」
この2年で、共和党は「移民政策改革」を捨て、移民優遇政策を取り、政府縮小案も破棄した。もちろんカルドウェル、ベルトウェイはこうした政策に反対である。
右派ベルトウェイが今日、共和党を支配し始めていることは確かである。それは共和党員だけでなく、全米にとっても悲しむべきことである。
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